2020年7月22日水曜日

読書90 コンゴ・森と河をつなぐ

 
 
 
「ベルギーのフィリップ国王(60)は2020年6月30日、アフリカ中部のコンゴ民主共和国の植民地支配を巡り、王室として初めて「深い遺憾」を表明した。同日、ベルギーから独立して60年を迎えたコンゴのチセケディ大統領に宛てた書簡で伝えた。
 ベルギーは元国王レオポルド2世が1885年にコンゴを「私領地」とした。現地の人々はゴムなどの資源採取のため、劣悪な環境で搾取された。ノルマを満たさない労働者の手首を切断する残虐行為もあり、この間に伝染病なども含む死者数は数百万人に達したとされる。国際社会の批判の高まりを受けて、元国王は1908年に統治権をベルギー政府に移譲した。
 フィリップ国王は書簡で、「暴力と残虐な行為があったことは、私たちの記憶に重くのしかかっている」と言及。正式にベルギーの植民地となった後も「苦痛と屈辱」が続いたと指摘した。その上で「現在も社会に残る差別によって過去の痛みが呼び覚まされている」として「深い遺憾」を表明し、「あらゆる差別と闘う」決意を示した。
 米国の白人警官による黒人男性の暴行死事件を受けた抗議活動が世界各地に広がる中、ベルギーでは各地に残るレオポルド2世像が破損され、一部は撤去されている。近年ベルギーではアフリカ系の若者を中心に植民地主義への反省や謝罪を求める声が広がっており、コンゴ独立60年の節目でのベルギー王室や政府の対応に注目が集まっていた。【ブリュッセル八田浩輔】 (毎日新聞のサイトより)
 
 
 

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