2015年9月20日、交野市・大阪市大植物園
2018年9月25日、京都市・武田薬品薬用植物園
タデ科、イヌタデ属
学名:Persicaria hydropiper
別名:マタデ、ホンタデ
生育地:日本全国、北半球の温帯から熱帯にかけて
場所:水辺
形態:一年草
以下は日本新薬のサイトからコピーした記事です
当館を訪ねてこられた方に、この植物の葉を噛んで頂くと、どなたもその辛味性の強さに驚かれる。ヤナギタデは、「蓼食う虫も好き好き」の語源となった葉の辛い植物である。
私たちが、鮎の塩焼きをいただくときに使う「タデ酢」には、この植物の葉が香辛料として加えられている。タデ酢は、ヤナギタデの葉をすりおろし酢に混ぜてつくる。アユの塩焼きのほか、くさみのある魚料理などに使われる。また、刺身をいただくときに、ワサビとともに、つまとして添えられている「紅タデ」は、この植物の種子の芽生え(子葉)である。これを、「芽タデ」と呼ばれている。このようにこの植物の葉は、私たちの日常の生活において、なじみの深い香辛野菜なのである。
ヤナギタデは、すでに平安朝の昔から香辛料として用いられてきた。江戸時代には栽培品種も多く作られたということである。葉を噛むと、辛くて口の中が、ただれるという意味から「タデ」という言葉が生まれたと言われている。ふつう「タデ」と称して食用にされている植物は、「ヤナギタデ」である。「ヤナギタデ」は、別名で「ホンタデ(本蓼)」とか「マタデ(真蓼)」と、呼ばれている。これは「これが正真正銘の辛いタデである」という意味から名づけられたものである。
ヤナギタデは、野菜としての利用法により「芽タデ」とか「笹タデ」と呼ばれている。芽タデは発芽した子葉を用いる。葉の色により「べニタデ」と「アオタデ」に区別されている。「べニタデ」の子葉は、濃赤紫色であるが、「アオタデ」は緑色である。ベニタデの紅色の色素は「イデイン」(Idaein)と呼ばれるアントシアニン系の色素"Cyanidin-3-galactoside"である。「べニタデ」、「アオタデ」ともに、さしみのつまに用いられる。一般に白身の魚には「べニタデ」を、赤身の魚には「アオタデ」を用いる。笹タデは本葉を用いる。おもに「アオタデ」が利用される。葉の形から「笹タデ」とよばれる。茎葉全体にさわやかな香りがある。また舌にピリッとくる辛味がある。このことから、魚料理の香辛料としてよく利用される。とくに、アユの塩焼きにそのまま添えたり、刻んで二杯酢と合わせて添えたりする。ヤナギタデの辛味は胃を刺激し胃液の分泌を促すので消化を助け食欲をそそる働きがある。また、くさみを消すだけでなく、解毒効果もあるということである。このことから、魚などを食べるときには、つまとして添えられているヤナギタデの葉を残さずに食べておくことが望ましい。このことにより、食あたりを防ぐことができるからである。
ヤナギタデは、野菜としての利用法により「芽タデ」とか「笹タデ」と呼ばれている。芽タデは発芽した子葉を用いる。葉の色により「べニタデ」と「アオタデ」に区別されている。「べニタデ」の子葉は、濃赤紫色であるが、「アオタデ」は緑色である。ベニタデの紅色の色素は「イデイン」(Idaein)と呼ばれるアントシアニン系の色素"Cyanidin-3-galactoside"である。「べニタデ」、「アオタデ」ともに、さしみのつまに用いられる。一般に白身の魚には「べニタデ」を、赤身の魚には「アオタデ」を用いる。笹タデは本葉を用いる。おもに「アオタデ」が利用される。葉の形から「笹タデ」とよばれる。茎葉全体にさわやかな香りがある。また舌にピリッとくる辛味がある。このことから、魚料理の香辛料としてよく利用される。とくに、アユの塩焼きにそのまま添えたり、刻んで二杯酢と合わせて添えたりする。ヤナギタデの辛味は胃を刺激し胃液の分泌を促すので消化を助け食欲をそそる働きがある。また、くさみを消すだけでなく、解毒効果もあるということである。このことから、魚などを食べるときには、つまとして添えられているヤナギタデの葉を残さずに食べておくことが望ましい。このことにより、食あたりを防ぐことができるからである。
ヤナギタデに含まれている辛味成分は、「ポリゴディアール」(Polygodial)と呼ばれるセスキテルペン・ジアルデヒド(Sesquiterpene dialdehyde)で、別名で「タデオナール」(Tadeonal)とも呼ばれている。ポリゴディアールは昆虫の摂食阻害作用(Insect antifeedat action)や、抗菌作用(antifungal activity)を示すことが知られている。ヤナギタデは、葉だけでなく、果実も強い辛味性を示す。ヨーロッパでは、この果実が、コショウの代用に使われる。この葉がこんなにも強い辛味性をもつにも拘わらず、好んでこの葉を食べる虫がいることには驚く。まさに「蓼食う虫も好きずき」である。当館で栽植しているヤナギタデの葉にも、虫喰いのあとがよくみられる。
ヤナギタデはその全草を生薬「水蓼」(スイリョウ)と呼び、民間薬として用いられる。秋に全草を採取し、日干しにして薬用に使う。ヤナギタデには、血液凝固促進作用や、血圧降下作用を示すことが報告されている。これを消炎、解毒、利尿、下痢止め、解熱、虫さされ、食あたり、暑気あたりなどに用いられる。ハチや毒虫にさされたときには、ヤナギタデの生の葉をもんで塗布すると痛みや腫れがおさまる。食あたりには、茎葉をすりつぶしたものに、おろしショウガを同量混ぜ合わせ、小スプーン1杯を服用する。葉を水洗いして日陰で乾燥させたものを利尿や解熱に用いる。また濃く煎じて飲めば暑気あたりによいといわれている。その他、ネパールでは、魚毒として、葉を砕いて川に流し浮いてきた魚をとる。ヨーロッバでは葉から黄色の染料をとる。
ヤナギタデは、北海道から沖縄および台湾、中国、北半球の温帯から熱帯にかけて広く分布する1年草である。河川や湿地、水辺などに生えているのを見かける。ときには水の中で多年草となることもある。ヤナギタデの茎は直立し、草丈は高さ40~80cmである。無毛で、よく分枝する。 葉はヤナギの葉に似ている。長さは、5~10cmで、葉柄は短い。和名「ヤナギタデ」(柳蓼)は、この植物の葉の形に由来する。花期は7~10月で、白く小さい花を、枝先にややまばらな状態で穂状につける。果実(堅果)は、レンズ形で、長さ3mmで3稜形になっている。種子は生長した花被片に包まれているので水面に落ちてもしばらく浮かび水面に散らばる。このような種子でも水中でさかんに発芽する。増水により冠水した葉でも水中で光合成できる。このような性質から、この植物は水条件が変化しやすい水辺、河原、休耕田などに群生することが多い。
学名(種小名)の "hydropiper" は、hydro(水)とpiper(コショウ)に由来する。水辺によく生えていることから、このように命名されたのだと思う。この学名の中の"piper"は、葉や果実が、コショウのような辛味性を示すことを意味している。この植物の英名は、"Water pepper"と呼ばれている。中国名でも、「水蓼」と呼ばれている。上記で述べたことと同じ理由で、このように名づけられたのだと思う。
学名(属名)"Polygonum" は、polys(多い)とgonu(関節、膝)とからなる。これは「茎に多くのふくらんだ節がある」ということを意味する言葉で、この属の植物の形態的特徴を表している。
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