2012年5月18日、大和高田市・山野草展
2014年9月13日、大阪市立自然史博物館
ウマノスズクサ科、ウマノスズクサ(アリストロキア)属
学名:Aristolochia debilis
名前の由来:葉が馬の顔に似てるとか、花が馬の首に付ける鈴に似ているというので
生育地:関東以南~九州、中国
場所:日当りの良い里山、河川敷
形態:落葉性、つる性、多年草
植物が受粉する場合に、一つの個体で受粉するのを自家受粉といいます
他の個体と受粉するのを他家受粉といいます
遺伝的多様性を維持し、種の劣化を防ぐためには他家受粉が優っています
しかし、自家受粉できる植物があるのは、他家受粉しかできない場合は近くに別の個体がないと受粉できずに絶滅してしまうからです
他家受粉の方法には色々あります
同じ個体の花粉(雄)が雌しべについても反応しないという方法があります
自家不和合性といいます
動物のように雄の株と雌の株がある場合があります
雄株は花粉しか作りません
雌株は雌しべのみです
花が咲いて一つの花の中に雌しべと雄しべがあっても成熟の時期が違う場合があります
Aの個体では花粉が成熟しました
雌しべはまだ未熟です
Bの個体では花粉が全部散ってしまった後で、雌しべが成熟してきました
そこでAの花粉がBの雌しべに受粉するということです※
受粉の媒体としては、風、虫、最近の栽培果樹等での人間の手伝いなどがあります
ウマノスズクサは※の方法です
但し、雌しべが先に成熟します
花の香りでショウジョウバエのような小型の虫を呼び、花の奥にある球形の部分に閉じ込めます
途中の花筒に逆毛があるため外に出られません
雄しべが成熟すると花筒の逆毛が萎縮し、ハエは脱出できるようになります
この時、花から脱出するときに花粉が付き、次のウマノスズクサの花に入ったときに受粉する仕組みになっています
(田中真知「増補 へんな毒 すごい毒」)