2014年10月2日木曜日

青いコチョウラン

ラン科、コチョウラン(ファレノプシス)属

植物細胞工学研究グループの三位教授らが青色のコチョウランの作出に世界で初めて成功

 高級な鉢物として重要なランの一種であるコチョウランにおいて、遺伝子組換えにより、従来存在しなかった青色の花色をもつ品種の作出に世界で初めて成功した。この研究は、千葉大学大学院園芸学研究科植物細胞工学研究グループの三位正洋教授及び陳東波特任講師と石原産業株式会社(本社大阪市)との共同研究の成果であり、同社が単離したツユクサ由来の遺伝子を、本学園芸学研究科植物細胞工学研究室においてコチョウランの培養細胞に導入し、個体再生および開花に至ったものである。
 コチョウランは、交配によって白、赤、黄色など多種多彩な花色の品種が作り出されているが、青い花の品種がなく、育種家や生産者の長年の夢であった。これはコチョウランには花弁に青色色素のデルフィニジンをつくりだす遺伝子がないためである。本研究グループでは、この青色遺伝子をコチョウランの培養細胞に送り込み、4年の歳月をかけて植物体を作り出し、平成24年2月15日に初花が開花した。ツユクサは日本全国に自生する美しい小さな青い花をつける身近な植物で、この変種のオオボウシバナ(アオバナ)はツユクサを大型にした植物である。その花は江戸時代から滋賀県で友禅染の下絵用染料として利用されている。今回作り出されたコチョウランは、もともとピンクの花をつける品種であったが、この遺伝子を入れたことにより、ツユクサに似た美しい青色に変わった。コチョウランはもともと遺伝子組換えの難しい植物であったが、植物細胞工学研究室の15年以上の研究の積み重ねと石原産業中央研究所で蓄積されたバイオ技術の融合が今回の成功に結びついた。
千葉大学のサイトから)
2014年4月22日、浜松市・ガーデンパーク


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