2014年4月2日水曜日

チューリップ、黄小町

ユリ科、チュウリップ属
以下の記事を他のサイトからコピーさせていただきました。


 朝日新聞北陸版2001年1月27日(かなり補足、省略あり) 
十年くらい前からオランダのチューリップ栽培業者は砺波の「黄小町」という品種の栽培許諾量として年100万円を払っている。
砺波では戦後、水田を利用した換金作物としてチューリップに注目し、米国輸出を目指したがチューリップに関して400年の歴史を持つオランダ産の品種がカベとなった。
1974年より富山県の農事試験場でチューリップの新品種開発が始まった。
当時のオランダで開発されはじめたハイブリッド系の品種で目標の色を赤以外にさだめた。
当時は赤系統の色が多かったからである。
1965年に白色系のピューリシマと他の系統の交配をテストし50000種類もの種を得た。
チューリップは赤系の品種と他の赤系の品種を交配させても、赤いのが生まれるとは限らないほど予測が難しい。
球根は毎年収穫して毎年咲かせることができるが、チューリップの種は最初の花が咲くのに5年はかかる。
1970年についにそれらの50000種の中から4種のめぼしいのが咲きはじめた。
一つがオレンジ色、三つが黄色だった。
それらの増殖選抜を十年繰り返し、交配開始から17年たった1982年に「黄小町」が誕生した。
実に50000品種から誕生した1品種だった。
今では砺波のチューリップの作付け面積第一位で10%を占める。
これがオランダの業者の目に止まった。
黄小町は満開でも花弁が開ききらず、ふっくらとしたままの特徴がオランダの品種にはないものであった。


県農事試験場は60のチューリップの品種を作り出したが未だに「青色」だけは成功していない。
今、研究者たちは中央アジアのカザフスタン、ウズベキスタンを回り、原生種のチューリップの種を採取してまわっている。
今では円高もあり、米国への輸出も止まり、国内ではオランダ産の輸入品との競合を避ける工夫をしている。
国内流通の球根では富山産5000万個、新潟産4000万個、オランダ産2億6千万個となっている。

2013年4月19日、京都府立植物園


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