2020年1月16日木曜日

タイワンアリタケ 台湾蟻茸

2018年10月28日、京都府立植物園
 
 
オフィオコルディセプス科、オフィオコルディセプス属
学名:Ophiocordyceps unilateralis
「タイワンアリタケは、アリを襲う菌類です。タイワンアリタケには数種あり、それぞれが別種のアリ(1種のみ)を襲うことがわかっています。初めに、胞子として木から落ち、アリの表皮、つまり外骨格表面に付着します。その後、菌は表皮を溶かす酵素を出してアリの体内に入り込みます。ここまで来ると、もうアリはおしまいです。菌はアリの体内で増殖して広がり、体重の半分を占めるまでになります。考えてみるとすごいですよね。
このアリは菌類(タイワンアリタケ)に感染してゾンビ化すると、巣から出て林に誘導される。菌類はアリの体を破り出て、さらに仲間のアリに胞子をふりかけて「ゾンビ侵攻」を進める
とはいえ、アリは自分たちのなわばりや巣に入り込んだ侵入者を嗅ぎつけるのが得意です。もしも仲間がおかしな行動をとっていたら、捕まえて巣の外の「墓場」へ連れて行ってしまいます。タイワンアリタケは、アリにあまり変な行動をとらせないようにして、巣を出るよう誘導するまでは気づかれないようにしないといけません。また、脳そのものを支配するのではないらしく、脳の周りにフィルム状のものを生成して、アリが巣を去るように指令する化学物質を放出すると見られています。
もっとすごいのは、増殖する間、タイワンアリタケはアリの筋肉を侵して筋繊維を裂き、神経系を切断してしまっていると考えられることです。アリには動いてもらわないといけないのですから、これは一見、理に適っていません。まだ予備的な研究ですが、タイワンアリタケはアリの中に自分自身の中枢神経系を作り上げているのではないかとも考えられています。アリの神経伝達物質に似た化学物質を放出し、文字通り操り人形のように、アリをコントロールして森の中の特定の場所に来させるのです。
この流れは、どのタイワンアリタケでも同じです。タイワンアリタケは、昼にアリが巣を出るよう誘導し、地面から25センチメートルほどの高さの葉に乗るよう仕向けます。その後アリに葉脈を噛ませ、タイワンアリタケが成長するのにちょうどよい場所をつくらせると、アリを殺し、子実体として後頭部から出てきて、胞子を下に降らせます。さらに驚くべきことに、アリを誘導した場所は、ちょうど仲間のアリの通り道の真上という完璧さです。」(ナショジオニュースのサイトより)
 
 
タイワンシシンランです
 
 

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