2017年5月24日水曜日

クキダイコン 茎大根

 
アブラナ科、ダイコン属
学名:Raphanus sativus var. hortensis 'Kuki'
2017年2月25日、京都府立植物園
 
「(質問)大根に光を当てたら葉緑体ができますか?
(回答)植物細胞にある色素体(プラスチド)は、細胞の種類によって葉緑体、有色体(クロモプラス)、アミロプラスト(でん粉を貯蔵)、エチオプラストや白色体(ロイコプラスト)などに形を変えて存在していますが、すべて原色素体(プロプラスチド)と呼ばれる小胞から変換してできたものです。葉や草本の茎表層では葉緑体になっていることはご存じの通りですし、トマト、トウガラシの果皮、ニンジン根などでは有色体に、もやしなど光の当たらない茎、葉ではエチオプラストに、貯蔵器官に分化した根、茎、地下茎などではアミロプラストになっています。これらの小器官は、条件が整えば相互変換することが確認されています。例えば、葉緑体と有色体、エチオプラストと葉緑体などは相互変換します。ところが、茎の皮層、髄細胞や根の細胞内ではプロプラスチドは白色体に変換しており、白色体はそれ以上他の小器官に変換することはありません。そのため、根など白色体が主にある組織は光を当てても葉緑体ができないため、緑化することはありません。
さて、ダイコンに光を当てると、上部の表面が薄緑色になることはご存じだと思います。青首大根などはその例ですね。大根と呼ばれている太い根のようなものは、純粋の根ではなく、上部の一部は胚軸と言う茎の一種で、その下部が本当の根になっています。大根を注意深く見てみますと、下部の方には細い側根が出ていますが、上部には側根のない部分があります。この側根のない部分は胚軸に相当するものと言えます。胚軸は茎の一種で、表層細胞にはエチオプラストがかなり残っていますので、光が当たると葉緑体に変換して緑色になります。ですから、大根全体に光を当てても全部が緑色になることはありません。」(日本植物生理学会のサイトから)
 
クロナガダイコンです
 
 

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