2015年5月4日月曜日

ノリウツギ 糊空木

2014年7月21日、神戸森林植物園
 
 
 
以上2枚、2018年7月2日、同所
 
 
2018年9月25日、京都市・武田薬品薬用植物園
 
 
アジサイ科、アジサイ属
学名:Hydrangea paniculata
名前の由来:樹液を和紙をすく際の糊にしていた
生育地:北海道、本州、四国、九州、東アジア
場所:山地の林縁など
 
 
 
名札は「ノリウツギ・サビタ」となっていました
2016年7月30日、札幌市・北大植物園


 
 
「サビタ」をご存知ですか。初めて聞くと言う方も多いと思いますが、「サビタ」は「ノリウツギ」の別名です。東北や北海道で良く知られていますが、むかし東北地方から北海道の開拓に移住した人たちによって名づけられたと言われ、岩手、秋田や青森では方言で「サビタ」、「サプタ」、「サンビタ」、「サンブタ」と呼ばれているそうです。
(略)
あるアイヌの若者か美しい娘に恋をした。恋心を打ち明けられた娘は「このサビタの花が散るときがきたら」と返事した。若者は燃える思いで待ち焦がれた。しかし、花は枯れ果てても落ちず残ったままだった。そして恋は実らなかった。これはアジサイの花と同様、「サビタ」の装飾花は綺麗で目立つが実を結ばない、そして冬になってもドライフラワーになって枯れずに残る。それと知らずに待ち続けた若者。何とも悲しい酷な結末である。 

 
もう一つの話は、北海道出身の作家「原田康子」のデビュー作「サビタの記憶」と言う短編小説。ストーリーは、病弱な女学生が母の勧めで温泉に保養しに来た。そこで同宿していた年上の男と知り合いになる。男はいつも部屋で本を読んでいたが、女学生はその男に淡い思いを抱くようになった。ある日、男は散歩の途中で白い花を見つけ彼女に手折って渡した。「なんて花?」、「サビタ」と男は答えた。そして「サビタの花が散る時に」と言った。それから暫くして突然官憲が温泉宿に踏み込んできた。男は思想家だった。二人に別れが訪れたことは言うまでも無い。多感な女学生の一夏の淡い記憶..と言う内容である。」(日本パークレンジャー協会のサイトより)
  
  
 


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