2012年3月17日土曜日

フクジュソウ 福寿草

キンポウゲ科、フクジュソウ属
学名:Adonis ramosa
別名:ガンジツソウ(元日草)
生育地:北海道から九州、東アジア
形態:多年草
毒草です
漢方薬ともなります
2013年3月9日、河内長野市・花の文化園
 
 
シガテツオさんのブログからコピーしました
少し長いですが、面白いです
「簡単にまとめると、フクジュソウはこんな特徴を持っている。
1.落葉する広葉樹林の南東の斜面に自生する。(落葉するので陽がさしやすい立地戦略)
2.雪が消える頃に雪を割り地上に顔を出し花を咲かせる。(競争が少ない時期を選択)
3.花は陽の光を受け開き、陰ると閉じる。また花は陽の光を追いかけて動く。(悪環境に適したオペレーションの仕組み)
4.花が咲いてから茎と葉を伸ばし、日光を一杯に受け光合成で根に養分を蓄積する。(受粉を優先しその次に自分の生存)
5.この間2-3ヶ月ぐらいで、他の植物が葉を出す頃には日陰に埋没するので、地上部が枯れて地下で冬眠に入る。(無駄なエネルギーを使わない省エネ生存)
わずか2-3ヶ月しか地上に顔を出さないで生存している植物があること自体不思議だが、これがフクジュソウが生存してきた生き方で、この限られた時間・立地。競争環境を最大限に生かす仕組み出来上がっていたから驚く。
(略)
植物にとって、“受粉”が遺伝子をばらまく重要なイベントとなる。
フクジュソウは、虫媒花であり虫を集めてその身体についた花粉を受精しタネを作るだけでなく、自分の花粉を虫に手助けしてもらいばらまく。
虫を引き寄せるために、普通は蜜を作り花粉を食糧として提供したりしているが、フクジュソウは蜜を作らない。
なぜかという理由はわからないが、蜜を作るということはエネルギー多消費型で割が合わないのだろう。この蜜を作ったタイプは淘汰されて現在のタイプが生き残ったのかもわからない。(あくまでもこの説は推測です。)
黄金色に輝くフクジュソウの花びらは、光を反射しやすい色彩とパラボラアンテナ状の形で、花の中央部に太陽光を集める働きをしているという。
外気と5~6℃違うというので、花の中は別世界を提供することになり虫たちにとっては暖が取れる。温まった身体は活動的になり花粉をつけた虫たちが飛び廻ることになる。
自分の花粉をつけた虫が飛び廻ってくれることはこの上ない満足なのだろう。
これでめでたしめでたしで終わってもよいが、まだ先があった。
北海道大学の工藤岳准教授の実験では、雌しべが受粉した花を二つのグループに分けその種子の結実を観測した。第一のグループはそのままで、第二のグループからは花びらを取り除いた。
これは、パラボラアンテナのように光を集める働きは、虫を呼ぶためにあるのかそれ以外のことのためにあるのかを実験で観察したのだが、受粉後花びらを切り取ったグループでタネを作ったのは50%だったが、花びらを切り取らなかったグループでは70%がタネを作ったという。
フクジュソウの暖を作り出す仕組みは、虫をひきつけるだけでなく、自分のタネを作り出すのにも一役買っていたという。」
 
 
 

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